紫電一閃 弐
「紫電一閃 弐」優勝者

ズー・サディスト



スキル
【搦手】【+硬】【燐光】【一閃】【+強】

設定
鼠、犬、狐、狼……、動物はとても従順で愛らしい。
熱したスプーンで掬ってやれば彼はとても良い表情を見せてくれたし、飼ってる猫はよく笑う。

オーナー
eika

URL
http://stara.mydns.jp/upload/up/zoo_sadist.mp3



ズー・サディスト



成長方式
1-0成長

スキル
【搦手】【交錯】【+硬】【燐光】【一閃】【+強】

設定
私は懐かしき街並みを散策しながら、「蜘蛛女」事件について思いを巡らせていた。
廃墟、銀の包み紙、待伏せの痕、白き一閃、三発の銃声と共に舞台幕は下り、真相は藪の中。……という事になっている。
なに、古い話だ。久々にこの街に立ち寄る事ともなったからには、こうした思い出も夢想の肴だ。

幾つかの出会いもあった。
例えば道中、妙な狐を見つけた。ひょろと長い身体をした美しい狐だ。慌てて呼び寄せてみるも、此方に気付くが早いか逃げ出してしまったが……。気恥ずかしがり屋め、残念。
忙しなく行き過ぎた白髪の娘には何やら違和感を覚えたものの、何が原因かは解らなかった。今度見かけたらよく観察してみる事にしよう。
そう、それから何としてもあれが面白かった、あれは──。

やや。おかえり私の可愛い助手君。調査の結果は如何だったかな。彼等を監視して何か解ったかな、さあ聞かせて貰おうじゃないか。
そうそう、聞き終えたら私の話を一つ聞いておくれ。楽しい話なんだ。君も楽しい話は好きだろう。

オーナー
eika



ズー・サディスト



成長方式
全とっかえ

スキル
【先制】【隠刃】【隠刃】【隠刃】【隠刃】【隠刃】【剣舞】

設定
嗚呼、私は。 又だ、──許しておくれ、──又やってしまった。耐えられなかったのだ。
「おい、助手君。 此の子を手当てしてやっておくれよ」と私は叫んで、温い液体に塗れた手袋を外すと床に投げ出し、顔を覆った。
助手君は動物の耳を揺らしながら、私の後ろでにやにやと笑みを浮かべていたが、私の命令を聞くと医療棚を漁り、幾つかの品を取り出して治療の準備を始めた。
「私は、悲劇役者なんだ」
黒い塊が拘束具の中、丸まってかすかに震えていたのだ。小さく漏れる息の音に合わせ、毛皮の表面が伸び縮みしている。
この子は嫌がったのだ! しかし私は、無理に押さえつけて、鋏を押し当て……。これでは、あの忌々しい肉食者達と同じでは無いか。動物達の事など無視して、残虐にも殺し、それを食らう彼奴らと、一体私の何処が違うというのだ。私は、この子に消え難い恐怖心を植付けてしまった。この子はもう、一生を怯えて歩かねばならないかもしれない……それも私の所為で!
「もはや、罪滅ぼしにもならないが」と私は震え声で呟いた。
「優しい人を見つけよう。動物好きで、だけど私と違って、動物の嫌がる事をしない人を……。その子が元気になったら、すぐにでも」
顔を挙げると、助手君が私のちょうど目の前に立ってにやにやと笑みを浮かべ、手を差し出していた。手には白いハンカチが握られていた。
「すまないね」と言って私はハンカチを受け取ると零れたものを拭い、再び死にかけたものに向けて言った。
「私は、直ぐにでも君を逃がすべきだった。君の為にと用意したご馳走も、結局は私の腹を満たす為の物に過ぎなかった! ……巻き込んでしまって、本当に申し訳ない」

オーナー
eika



ズー・サディスト



成長方式
全とっかえ

スキル
【崩技】【玉響】【玉響】【玉響】【玉響】【玉響】【玉響】【怒濤】

設定
螺旋階段を昇り、いつしか塔上へと辿りついたならば、其処からは街の全貌が見渡せる。
ごらん助手君、見晴らしが良いね。
此処からだと皆がちいちゃく見えてね、皆まるで子供の姿なんだ。
笛吹きでもやって来たら、皆連られて行きそうなくらい子供の姿なんだよ。
だからね助手君、この街の皆にハウチングをぐるりと逆さに被せてやりなよ。
ジェームズ・キャッスルの事を思い出しながら、秘密の金魚の話を聞かせてあげなよ。
動物園では今も木馬が回り続けているんだ。人狼の怒りと哀しみがそうであるように。
それは痛ましさ、不条理さ、汚さ故に何処までも綺麗な光景なんだよ。
塔の崩れる悲劇の前夜には、玉響を誰もが幸福な夢で過ごすべきだ。
其れが私達、悲劇役者であるならば、尚も。

オーナー
eika



ズーサディスト



成長方式
1-0成長

スキル
【崩技】【玉響】【玉響】【玉響】【玉響】【玉響】【玉響】【影討】【怒濤】

設定
 探偵、助手登場。
 塔上、探偵は望遠鏡を覗き込み、助手はその傍でにやにや笑っている。
[助手] それで、どうなんだ。見つかったのか。まさか、一人で楽しんでる訳ではあるまいね。
[探偵] ふふ。まあ、待ちたまえよ。今探しているところさ。
[助手] 待ち遠しいな。
[探偵] おや。
 沈黙が流れる。
[助手] ……どうした。
[探偵] なんだ、……彼女らは笑っているのか?
[助手] 作り笑いでは無く?
[探偵] ばかな!
[助手] 我々は十分に舞台を歩き回った。火種も間違い無く仕掛けた筈だ。
 探偵が望遠鏡から目を離して助手に合図する。
 助手は望遠鏡を覗き込む。
[探偵] 話が違う。
[助手] 興ざめだ!
 探偵は腕を組んで歩き回る。
[探偵] 仕掛けが動かなかったのか? ──あり得ない! 我々は騙されたのか、裏切られたのか? 
        それとも──、パノラマの怪人か?
 助手が探偵に振り向く。
[助手] よせ。
[探偵] 怪盗少年の結末は? 違い無く『トラ』だった! そうとも、我々にぬかりは無い。だから、彼の美術室は完成しなかった筈だ。
[助手] あれは間違い無く悲劇だった!
[探偵] だが、我々の筋書きに何者かの介入があったとしたら? 我々の目を逃れ、彼を手伝うものがあったとしたら? あの事件には不自然な点があまりにも多過ぎる。
[助手] もういい。やめろ!
[探偵] 彼の言葉が嘘では無く、美術室が本当に完成していたとしたら? 彼がもし幸福な眠りでその頁を終えたとしたら?
        ──煩い、黙れ!──黙れ!
 探偵が望遠鏡を蹴飛ばす。望遠鏡が壊れ、筒が床に打ちつけられる。
[探偵] もはやお前は場を去った人間だ。消え失せろ、亡霊め!
        幕が下っておしまいだ、蝋燭は消えておしまいだ! 遊びはもう終わったんだ!
        やめろ、そんな目で私を見るな。私は悲劇役者なんだ! くそ、逃げるぞ助手君。我々に喜劇などあってはならない。
        急いで荷物をまとめたまえ、街を出るぞ。もういい! たくさんだ!
 階段へ消える探偵。 後を追う助手。
 探偵、助手退場。


オーナー
eika

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http://stara.mydns.jp/upload/up/siden%20no%20sora.wav



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