紫電一閃 弐
第3ゲーム区間賞獲得者

ズー・サディスト



成長方式
全とっかえ

スキル
【先制】【隠刃】【隠刃】【隠刃】【隠刃】【隠刃】【剣舞】

設定
嗚呼、私は。 又だ、──許しておくれ、──又やってしまった。耐えられなかったのだ。
「おい、助手君。 此の子を手当てしてやっておくれよ」と私は叫んで、温い液体に塗れた手袋を外すと床に投げ出し、顔を覆った。
助手君は動物の耳を揺らしながら、私の後ろでにやにやと笑みを浮かべていたが、私の命令を聞くと医療棚を漁り、幾つかの品を取り出して治療の準備を始めた。
「私は、悲劇役者なんだ」
黒い塊が拘束具の中、丸まってかすかに震えていたのだ。小さく漏れる息の音に合わせ、毛皮の表面が伸び縮みしている。
この子は嫌がったのだ! しかし私は、無理に押さえつけて、鋏を押し当て……。これでは、あの忌々しい肉食者達と同じでは無いか。動物達の事など無視して、残虐にも殺し、それを食らう彼奴らと、一体私の何処が違うというのだ。私は、この子に消え難い恐怖心を植付けてしまった。この子はもう、一生を怯えて歩かねばならないかもしれない……それも私の所為で!
「もはや、罪滅ぼしにもならないが」と私は震え声で呟いた。
「優しい人を見つけよう。動物好きで、だけど私と違って、動物の嫌がる事をしない人を……。その子が元気になったら、すぐにでも」
顔を挙げると、助手君が私のちょうど目の前に立ってにやにやと笑みを浮かべ、手を差し出していた。手には白いハンカチが握られていた。

オーナー
eika



戻る